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『或るスパイの生活』

2008年08月02日 01:00

『或るスパイの帰還』に暖かいコメントを頂いて。
いい気になって。
挿絵をつけてみる、と宣言してはや数ヶ月。

入れ替わりのイラストってほんと難しいですね……

「動物と入れ替わった女の子の絵」って、
要するに「動物の絵」なわけです。
パーツを織り交ぜて描けば
それなりにそれっぽくなる変身絵とは
似て非なるものなんですな。

紅珠さんとかほんとすげえ。勉強になりました。
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おはなしのテスト

2008年04月24日 13:37

『或るスパイの帰還』

敵国への潜入と情報収集。
私が今まで潜り抜けてきた数々の困難にくらべれば、今回のミッション自体はさして難しいものではなかった。

『以上ガ、敵国ノ現在ノ動キデス。
我ガ国内ニモえりあ32ノ北ニあじとガアルトノコトデシタ』
「なるほど。20日間にわたる特別任務、ご苦労だった」
『アリガトウゴザイマス』
「ははは、まさかやつらも、荷物運びのヤギにスパイの頭脳がインストールされているとは思わなかっただろう。
しかもわが国屈指の美人スパイの、な」
『コウシテ人ノ言葉ヲ話スノモ20日ブリデス』
「ああ、便利な機械だろう、君の脳波を直接言語化して、同時翻訳しているわけだ。
これもまだまだ極秘の技術だがな」
『……デハ、ソロソロ元ノ身体ニ……』
「ん?」
『イエ、デスカラ、元ノ姿ニ戻リタイノデスガ……』
「ああ、そのことなんだがな、君には引き続き、その雌ヤギの身体で生きて行ってもらうことになったんだ」
『……エ? チョッ、何ノ冗談ヲ……ンメェエエエ! ベェエエ!!』
「もうこの装置も必要あるまい。
ちょっとまあ色々あってな、君の身体を返すわけにはいかなくなったのだよ」
『ンメェエエエッ!?』

長官が何を言い出したのか、私には理解しかねた。
だが、次の瞬間部屋に入ってきた女を見て、私の混乱はさらに大きくなった。

「失礼します……あらそのヤギ、もしかして」

あれは――私?

「ええ。彼女ですよ、シャルロットさま」

落ち着け。落ち着け。落ち着け。
シャルロットって……聞いたことがある。
たしか機関のスポンサーになってた貴族のワガママ娘で――

「あはっ、お仕事ごくろうさまでした。
コールドスリープ状態になってるあなたの身体見てたら、どうしても欲しくなっちゃって。
ごめんなさいね。
お父様に頼みこんで、私が使わせてもらうことにしたの」
「分かってくれたまえ。
そして君は、いささか知りすぎたのだよ。
どのみち、そろそろ口を封じねばならん段階にきていた。
命を落とさずに済んだだけ、幸せだと思いたまえ」

そんな。
そんな、バカな。
どうして私がこんな目に?
国のために、機関のために必死で働いてきたこの私が、どうしてあんなバカ娘のために!?

『メエッ!? んベエエッ!!』
「ふふ、知ってたんだから、あなた、私のことバカにしてたでしょ。
ブスでワガママな貴族のバカ娘って。
いいのよ、許してあげる。
どうせもう、謝罪も悪口も言えないものね――永遠に。
きゃははははははははははッ!!」
『ンべエエエエエエエエェぇエエエえッッ!!』
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