へんなかがみ : お祭りが始まるよ2010

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むかしむかし、ひとりの男の子がいました。
これといって特徴のない、ごくごく普通の男の子。

でも、彼にはひとつだけ普通じゃないところがありました。
彼は、人間が動物に変身させられてしまうお話が、
たまらなく好きだったのです。

テレビで見た、不良少年がロバにされてしまうシーン。
図書館で読んだ、少女が牝牛にされてしまうギリシア神話。
その鳴き声や悲しそうな表情が、
どうしようもなく好きだったのです。

まだそれが性欲と結びついていることすら
認識できていなかった幼い彼にも、
それが「普通」と違うことは分かりました。
もちろん友達にも、家族にも、
それを打ち明けることはできません。

だから彼は、その気持ちに蓋をしました。

分かってもらえるわけがないのだから、黙っていればいい。
そうすれば、誰にも迷惑はかからない。

そう考えたのです。

でも、蓋の内側でその気持ちは膨らみ続けました。
授業中に回し読みした漫画で。
何気ない友人の言葉で。
古本屋で手にとった、海外SFの一節で。
姿を変えられていく登場人物たちに
どうしようもなく惹かれてしまう自分を
否定することはどうしてもできません。

その気持ちはやがて妄想となり、
妄想はやがて物語になりました。

加速する時代の流れの中でインターネットが生み出され、
彼ははじめて、自分以外にも
この性癖を持ち合わせた人間がいることを知ることになります。
おびただしい数の変身物語が収録されたそのサイト、
「風祭文庫」をむさぼるように読みあさった彼が
自分の妄想から生まれた物語をテキストにまとめ、
投稿するようになるまで、それほど時間はかかりませんでした。

「にこちんたーる」

それは彼の、人生で初めてのハンドルネームでした。

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いやー我ながらこれはウザいwww
ちょっと前に自分史ブームとかあったけど、
確かに書いてるぶんには楽しいですな。

ようするにまあ何が言いたいのかと申しますと、
いい時代になったもんだなあという。
TFなんて概念すら無かったあの頃の自分が見たら、
今の時代はパラダイスです。
毎週キルミンやってるし、
TFメインのアニメ映画が公開になっちゃうし、
pixivではtransfurタグの絵が500件近く投稿されてるし。

でも、もっと良くなってもいいはず。
もっとTFを楽しめる、
たとえばアンソロ本がコミケで買えるような、
そんな世界になってもいいはず。

そのための新たな一歩を踏み出したclownさんをはじめ、
参加者の皆様に幸あらんことを。

……や、祈ってる場合じゃないですねｗ
私も皆さんの足を引っ張らないよう、
せっせと執筆に取り組みたいと思います。

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