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『8人のあみだくじ』 後編

2008年07月27日 02:21

SSにはSSの、イラストにはイラストの良さがあって、
必ずしもその両方があった方がいいとは限りません。
SSでせっかく膨らませたイメージを、
下手なイラストで壊されてしまうことだってあるわけで。

かのフランツ・カフカは、「変身」の挿絵で
虫になったザムザの絵を描かれるのを
断固拒否したとかしなかったとか、
そういう不確かなトリビアを聞いたことがあったりなかったり。

でも、まあ、いいや。

何が言いたいのかといいますと、今回は投稿時に自重した
『変身後』のイラストも描いてみたので、
前編以上の地雷エントリになってしまった、ということです。

タグを見て危険な匂いを感じられた方、
toshi9さんちでコレを読まれて、
すでに理想の(?)ユウちゃんのイメージが
出来上がっている方……なんていないか、さすがにw
とにかく続きを読まれる方は、重々ご注意ください。

※前編未読の方はそちらからどうぞ。
   ×   ×   ×

「い……いやぁあああっ、返してっ!
それ、みんな、あたしのッ!
あたしの顔、
あたしのおっぱい、
あたしの……体型……若さ……
泥棒っ!
泥棒どろぼう泥棒ッ!
うわぁあああああああああああっ!!」

気持ちは分かるけど……ずいぶん人聞き悪いこと言うじゃない。
あなたにも分かってたはずだよ?
この『8人のあみだくじ』に参加した以上、ルールは絶対。
7人の勝者が、残り1人の身体から1つづつ
好きなものを指定して、交換できる。
この上なくシンプルで、公平なルール。
まあみんなは、新しく手に入れた身体を見るのに夢中で、
ろくに聞いてないみたいだけど……

さあ、いよいよ7人目。
私の番だ。

「う、うう、もう、許して……。
あ、あなたは、いいでしょ?
そんなにキレイだし、若いし、
今さらこんな、こんなになっちゃったあたしと
交換するものなんて……」

誉めてくれてありがとう。
でもね、あるんだ。
ひとつだけ、どうしても欲しいものが。
それは、ユウちゃんの……『女』。

「ごめんね、私はあなたの、『性別』が欲しいの」
「へ?」

意味が理解できず、きょとんとしてしまったユウちゃんに、
私はロングスカートをたくし上げて、
そこにあるモノを見せてあげた。

「……ひ、ひぃいやあああっ!?
ダメ、そんなのダメ、こんなの反則でしょ?
嘘、いやッ!
あ、あっ、あああッ!
嫌だぁあああああーっ!!」

私とユウちゃんの股間に、光が集まってくる。
絶叫する彼女があんまりにもみっともなくて、
あんまりにもかわいそうで、
そして、あんまりにもかわいくて。
すっかり固くなっちゃった私のモノが、
本来あるべきレベルをはるかに超えて熱く、輝いていく。
――気持ちいい。

物心ついたときから、どうしても『女』になりたかった私。
『8人のあみだくじ』の噂を聞いたのは、
歌舞伎町のお店で働きながら、
必死でお金を貯めていた時だった。
ホルモンでも、手術でもなく。
本当に……本当の意味で『女』になれる方法が、ある。
怖ろしいリスクを犯すことに、何のためらいもなかった。

そして、今。
熱く、固く屹立した自分の『男』に……はじめて愛おしさを覚える。
あなただって、好きで私にくっついてたわけじゃないのよね。
今まで、嫌ってごめんね。
甘い感傷にひたりながら、指先で股間に触れる。

「ひゃうっ!?」

快感にぴくん、と身を震わせたのは、
私ではなくユウちゃんだった。
交換がはじまっている。
包みこむように、優しく、ていねいに指を動かしてみる。
いつ以来だろう。
独特の罪悪感と、
自分が男であるという現実をはっきりつきつけてくるこの行為。
それが嫌で、たまらなくて……自らそれを禁じた。
はじめのうちは性欲の行き場をもてあまして
頭がおかしくなりそうだったけど、全力で耐えぬいた。
そして今、自分の意思でその禁を破る。
ううん、これは違う。
もはやこれは――オナニーではない。

「やっ、やっ、やめてぇっ!
感じ……う、嘘、嘘嘘っ!
ああっ、あっ、あっ、あああっ、触らないでえぇっ!!」

ユウちゃんが、甘い声で叫ぶ。
彼女の股間から、光を帯びた何かがゆっくり持ち上がってくる。
それに呼応して縮んでゆく私のそれに別れを告げるように、
手の動きを早める。
もう感覚はほとんどないのに、なぜだか分かる。
――出る。

8amida2


「うああぁあああああぁぁあーッ!!」

びゅく、と鈍い音を立てて、
私が溜め続けた白濁液が……彼女の股間から吹き上がる。
新しい場所に生えかわった肉の棒を
びくん、びくんと痙攣させながら、
射精はびっくりするくらい長く続いた。
快感と絶望がないまぜになった表情で
悲鳴をあげるユウちゃんが、
たまらなくかわいい。

ああ、私ってこんなにSっ気があったんだ。

ついさっきまでユウちゃんのものだった『それ』が、
私の興奮に応えてゆっくりと湿り気をおびてくる。
夢にまでみた、その感覚。
それがあんまり嬉しくて、私の目に熱いものがこみあげてきた。
にじんだ視界の中には、同じように涙を流している“彼”。
口の中で、ちいさく呟く。
ありがとう。
そして――さようなら。

あーみだーくじ。
あーみだーくじ。
ひーいてたのしい、あーみだーくじ。

今日もきっと、どこかで誰かが口ずさむ。
それは幸運な7人と、あわれな生贄のゲーム。

   ×   ×   ×

どの絵だってまあ好きで描いてるわけですけど、
今回は一段と描いてて楽しかったですね。
コレで萌えてる自分がシュールというか何というかw

同好の志がはたして何人いるのか分かりませんが、
ほんの少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。

こんな妙な話に最後までお付き合いいただいた方に、
改めてお礼を申しあげます。
本当にありがとうございました!

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コメント

  1. 石山 | URL | txZHgShk

    Re: 『8人のあみだくじ』 後編

    もう、最高です!!!
    見る影もない姿で、とどめの一発。
    なんとすばらしい。
    私も萌えましたので、シュール仲間です。

  2. greenback | URL | xB9R6Xc2

    Re: 『8人のあみだくじ』 後編

    >石山さん
    おお、ありがとうございます。
    こんなに心強い仲間はいません☆
    いつかじっくり腰をすえて男体化モノを書きたいと思ってるんですけど……いつになりますやらw

    ※このたびはサーバートラブル?で大変でしたね。
    素敵な新居が見つかることを願ってやみません。


    >07/27 23:39に拍手コメントくださった方
    あ、こっちもいけるクチでらっしゃいますかw
    どうもありがとうございます。
    要素が多くなると『萌えのハードル』みたいなものが
    あがってしまうんだな、というのが今回の教訓でしたが、
    こうして楽しんでいただける方もいるというのは
    凄く嬉しいですね。

  3. greenback | URL | xB9R6Xc2

    Re: 『8人のあみだくじ』 後編

    >07/31 09:49に拍手コメントくださった方

    エグいって言われて喜んでる自分がまたシュールw
    ともあれ、飛んできていただいて光栄ですm(_ _)m
    仰るとおり、並べて見ていただいたらいいかなーと思って
    ちょっと対称っぽい構図にしたんですが、
    よく見ると光源と影の位置が変だったり、
    情けないことになってます……

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