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『獣化計画進行中』 後編

2009年05月27日 01:58

猫ってほら、ものすごくあられもない格好するじゃないですか。
毛づくろいの時なんて、開脚はんぱないし。
あれを俺フィルター通して見るとこうなるという後編。

前編あらすじ
・ドーナツ
・食ったら
・えらいことに

変身前の姿はこちらで、前編のお話はこちらで読めます。
   
×   ×   ×

あまりにも色々なことが同時に起こりすぎて、
スカートの下で起こっていた変化に気付いたのは
ずいぶん経ってからだった。
いや、あいつに指摘されなければ
もっと後になってからだったのかもしれない。
あれほど屈辱的な行為を
“指摘”なんて呼んでよければの話だけど。

「ああ――もう、ガマンできません」

熱心にメモをとっていた手を止めると、
あいつは小さく、でもはっきりと呟いた。
目がとろんとして、口調もどこか熱っぽい。

「本当は実験対象に触れたりしちゃ、いけないんです。
いけないことだと分かってても――ああもうダメだなあ、可愛くて」

この女の目的や正体は引き続き全く分からないけれど、
この時、ひとつだけ分かったこと。
こいつは――変態だ。

「あああもうどうしようどうしよう、こんなに幸せでごめんなさい」

しばし自分の身体を襲っているとてつもない事態を
一瞬忘れてしまうほど、女の笑顔は異様で。
その様子に圧倒されている間に、次の悪夢は充填されていた。

――ぞくり。

一瞬、何が起こったのか分からなかった。
下腹部を走り抜けた、正体不明の感覚。
そちらにもう一度目をやるより早く、第二波が――

――ぞくり。

ドーナツを食べた直後に感じたものと似ているようで、
でも全く異なる感覚。
どこか懐かしいような既視感を伴いながら、
それでいてとてつもなく怖ろしいような。
ああ、もしかして。
これはそう。
快感。

――ぞくり。

女がしていた行為が、はじめてあたしの目の端に入ってくる。
撫でている。
やさしく、慈しむように。
それはあたしにはなかったはずの部位。
撫でられるたびに嬉しそうに震えながら、
今なお成長を続けている毛むくじゃらの肉塊。
あたしの――尻尾だ。

――ぞくり。

その付け根のあたりを撫でられるたびに、
あたしの身体にありえない快感が走る。
こんなの――おかしいよぅ――
呪わしい肉の棒はあたしの意志を嘲笑うように
その身を女の手にこすりつけ、
もっと気持ちよく撫でてもらえるポジションを貪欲に求めている。
女は淫らに笑って、それに応える。

――ぞくり。

“波”が訪れるたびに、
そのインパクトが大きくなっていることに気付く。
気持ち良さを感じれば感じただけ、
変身が加速していっていることに気付く。
ふわふわした快感があたたかい灰色の獣毛となって、
全身を覆いつつあることに気付く。
白く霞んでいく理性が、必死で危険信号を発する。
女の笑顔が、いっそう熱をおびて――ああ、どうしよう、
もう一度「ぞくり」が来たら、やばい――本当にやばい!!

「……ふふ」

――え?

「投薬後に発情を伴う場合、変身作用促進の兆候あり。
 要追加研究……と」

女は、愛撫をやめていた。
かわりにふたたびペンをとって、書類に記入をはじめる。
デジカメを取り出し、フラッシュを焚く。
そこに映る私がどんな姿なのか。
これから自分が一体、どうなってしまうのか。
聞きたいことや知りたいことは山のようにあった――はずなのに。

「あれ、何してるんですか?」

あいつは、そらとぼけた顔で声をかける。
股間に必死で手を――前脚を伸ばしているあたしに、
全て分かっていながら声をかける。
なんで。
なんでやめちゃうんだよ。
あたしをこんなにしながら、あそこまでやっておきながら。
自分でなんとかしなきゃ、本当にあたし、おかしくなっちゃう――

あらゆることがあらゆる意味で
もう充分「おかしく」なっていることを自覚しながら、
あたしはどうしても自分を抑えることができなかった。

とろとろの蜜でいっぱいになっていたあそこは、
不器用な肉球で触れただけでたやすく決壊して、
信じられないほど淫らな臭いを放ち始める。
それが、たまらなく恥ずかしくて。
そしてまた、気持ちよくて。
デジカメのシャッター音とフラッシュの閃光すら気にならないほど、
あたしはその行為に没頭していった。

気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
でも――足りない。
これだけじゃ、足りないっ!

その時のあたしの目には、色濃い怒りや憎しみを押しのけて、
すがるような哀願の色がいっぱいに満たされていたのだと思う。
あたしを見下ろす女は嬉しそうに微笑んで、
もう一度、すっかり立派になってしまったあたしの尻尾を撫でた。

「お……ぁあん」

声が漏れる。
その声――ただ猫の声であるだけでなく、
「さかりのついた雌猫」の鳴き声以外の何物でもない
その声が呼び水となり、甘く淫らな声が次々に溢れ出してくる。

「お、あぁアあん!
オアァあああン!
オアアアァアァああアンッ!!」

叫ぶほどに、鳴くほどに、発情していく自分がいる。
情けなくて、せつなくて、惨めで――たまらない。
いつの間にかむき出しになった股間が目に入る。
ひくひく蠢いて、さらなる刺激を求めている
濡れきったあたし自身がそこにあった。
大きく脚を開くと、それはぱっくりと口を開いて、
柔らかいピンク色がむき出しになる。

そして、あたしは気付いてしまう。

いつの間にか、すっかり変化していた自分の身体に。
新体操選手さながらに前屈できてしまう、猫の肉体の柔軟さに。
それに驚いたり、嘆いたりする感情すら押しのけて、今なら――
今なら、自分で、このざらざらした舌で、
あそこを舐めることができてしまうことに。

だめ――そんなことしたら――もう――本当に――

あたしの中に残っていた最後の理性が
何かを叫んでいたようだったが、
たぎる獣欲の前でその声はあまりに小さくて、
高まる鼓動と荒い息づかいの中にまぎれて遠ざかっていく。

両目いっぱいにたまった涙――

その源にあるものが

悲しみなのか。

歓びなのか。

もう、あたし自身にもよく分からなかった。

catend.jpg

「サンプルID4162614、人間名・景閣寺ゆうか。
 16歳、女性。
 ”TFドーナツ”による獣化薬経口摂取。
 摂取から完全変態まで20分15秒。
 変身形態、猫。
 発情コントロールによる行動制御・変身促進は有効でした。
 脈拍・体温に上昇が見られるものの、健康状態は極めて良好。
 本部に搬送の上、引き続き研究を継続されたし。
 2009年5月27日、獣化計画は本日もつつがなく進行中――」

おしまい

   ×   ×   ×

というわけでひとまず終了。
いたらない所や反省点は山のようにありましたが、
とにもかくにもお付き合い頂いた皆さまに感謝。
お寄せ頂いたご意見は、今後の参考にさせていただきます。

pixivの方にも今週中には上げる予定。
ていうかダメ元で「描いてもいいのよ」タグつけたら
ほんとに描いてくれた方がいらっしゃいました。
つД`)・゚・。・゚゚・*:.。
ヤバい。嬉しい。
はっきり言って俺よりぜんぜん上手いので、
見られる人はぜひぜひチェックしてみてくださいな。

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コメント

  1. ゴゴT。 | URL | Xj9pzKFI

    Re: 『獣化計画進行中』 後編

    ……すみません。私としたことがgreenback氏を甘く見てましたw
    「あっさり」どころじゃないですね。予想を上回る特濃の表現!
    特に猫TF好きというわけでもない私も痺れました。
    濃厚な快楽描写と見事な堕ちっぷりに脳をやられます。感涙ものですわー。

  2. リュウソウオー | URL | -

    Re: 『獣化計画進行中』 後編

    景閣寺ゆうかは可愛い猫になりましたね。
    またリクエスト企画に参加したいと思う反面、greenback様が大変ですし自分もがんばらなければ…。

  3. rom専 | URL | -

    Re: 『獣化計画進行中』 後編

    すばらしいですね!!
    欲をいえば100%獣化後の姿も見てみたかったです・・・
    次回作も楽しみにしています!

  4. greenback | URL | xB9R6Xc2

    Re: 『獣化計画進行中』 後編

    コメントありがとうございます。
    レス遅くなって申し訳ない。

    >ゴゴT。さん
    楽しんでいただけて何よりです。
    変身するものが可愛いと、外見変化だけじゃ
    羞恥が足りないような気がしちゃうんですよね。
    で、それを補おうとしてるうちに気付いたらこんなことに。
    リアルに近所で猫がさかってたせいもありますがw

    >リュウソウオーさん
    かわいく見えますかね?
    そう言っていただけると安心します。
    企画はいずれまたやりたいと気持ちはあるんですけど、
    いつになるかなあ。

    >rom専さん
    100%ってそういやあんまり描きませんね。
    普通の動物絵になっちゃうからかな?
    後日談とか思いついたら描くかもしれませんが……
    次回は獣化じゃない予定ですが、よろしければお楽しみ下さい。

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