へんなかがみ : 借りパク

“仕事”がずいぶんとうまく行ったので、オレは上機嫌だった。
久々に浴びるほど酒を飲み、
風俗にも行って、たっぷりサービスしてもらって……
ようやく家に帰った時には朝になっていた。
ドアノブに手を掛けたとき、中から半泣きの哀願が漏れてきた。

「返してくれるっていったじゃないですか！
ちょっと借りるだけだって……ふざけないでっ！
契約書？
読めませんよ、そんな細かい文字！
ねえ、冗談ですよね？
笑えないよ、ずっとこんな身体なんて……嘘でしょ？
お願い、返して。
あたしの“若さ”、返してよっ！」

お、どうやら女房の方の“仕事”も首尾よく行ったようだな。
しかもあの様子じゃ、
ずいぶんと若い娘を引っかけたみたいじゃないか。
ふふ、何年ぶりだろうな、女房の顔見るのが楽しみだなんて。