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『涙目お嬢様×3』 前編

2009年03月16日 01:20

EnjoyNowの現在楽識さんに頂いたまんま、
頼まれてもいないイラストを描くのに手間取って
放置すること数ヶ月。
ようやく前編公開の運びとなりました。

現在楽識さん及び楽識ファンのみなさん、
お待たせしちゃってほんと済みません。

   ×   ×   ×
3girls

むかし、とある国に大きなお屋敷がありました。
何代も商業で栄えてきた名家で、
その国では全ての人がその家のことを知っており、
城下町から少し離れた見晴らしのいい丘の上に立てられた
屋敷のテラスから、二人の女性が見ろしていました。

「はぁ、たいくつねぇリーナ」
「ええ、今日はダレが来るかしらね、ミーナ」

全く同じ容姿を持った双子のお嬢様、
リーナとミーナは退屈そうにため息を吐く。

「そうねぇ、昨日のえーと、なんて名前だったかしら、
あの人も退屈な話ばかりだったし」
「一昨日の人もよ、毎日毎日あきもせずに退屈なことばかりね」

20歳になり、それなりの名家同士の付き合いに追われる毎日、
ソレが退屈の元だった。

彼女らに会いに来る男達は後を絶たない。
何しろ、彼女らの家は大金持ち、財産目当てのものが大半で、
それ以外は二人の美貌を手に入れたく、
近寄ってくるものばかりだ。

「もう、めんどうねぇ」

釣りあがった目にちょっとだけ涙を見せながら、
あくびをするリーナ。
形がよく、盛り上がった胸が前に突き出され、より強調される。

「早く夜になって楽な格好したいわね」

コルセットで閉められた細い腰を窮屈そうにするミーナ。

「そうね、こんなドレス着続けるだけで苦労するわ」

二人とも肉付きもよく、
長い足でスカートをいじくり、綺麗なお尻を揺らす。

「はぁ、退屈ね」

「お姉さま……」

そんな二人にかかる声。

「あら、シャル」
「どうかしたの?」

10歳ぐらいの幼い少女がドレスのスカートを引きずり、
二人に近寄る。

「何してらっしゃったんですか?」

二人の妹、シャルは琥珀色のかわいらしい瞳で二人を見つめる。

「リーナと退屈だから町を見てたのよ」

優しくシャルの藍色の髪をなで、ミーナは笑う。

「お父様が探してらっしゃいましたよ? マタお客様だそうですし」
「あら? また? ……ミーナ行きましょう」
「ええ、もう面倒ねぇ」

シャルをおいて、室内に戻っていく二人。

「…………」

シャルは二人の背中を見送り、静かに外を見た。

(……マタお姉さまたち、きっと喧嘩をするのね)

3人の仲は良好だ。
しかし、まったく同じ藍色の髪、まったく同じ体型、まったく同じ顔、
まったく同じドレスを着て、同じように長い髪を束ねている二人、
なのにどっちが綺麗か、二人はよく争う。

「喧嘩しないで欲しいのですのに……」

ふと漏らした声、ただの独り言、そのはずなのに……

『その願い、かなえてあげようか?』

柵の向こう側から聞こえる声、視線を上げると、
1人の人が立っていた。
何も……足場もないところに、テラスの向こう側に、
その人は立って……いや、浮いていた。

「あ、アナタは?」
『俺? 俺は愚者、君の願いをかなえてあげるよ』

『愚者』と名乗ったその男は
金色の仮面で隠していない口元を歪ませ、シャルに迫る。

「ね、願いですか?」
『ああ、願いさ、俺は気まぐれでね、めったにないチャンスだよ』

そう言って、白いコートを舞わせ『愚者』はテラスに降り、
シャルの隣に立つ。

「ワタシの願い……」
『喧嘩をやめさせるのならそうしてあげよう』

 『愚者』は笑いながら姿を消そうとしており、
ソレが分かったのか、シャルは慌てる。

「ま、待ってください、ワタシの願いは……」

『愚者』はその話を聞き、口元を思いっきり歪ませた。



数日後、ミーナは朝起きていつものように
召使達に服を脱がせてもらい、ドレスを着せてもらっていく。
いつもなら、多少時間がかかるといえ、
1時間もすれば終るようなことなのだが、

「胸がきついわねぇ……」

ここ数日でミーナの胸はさらに大きさが増し、リーナよりふた周り、
いや、それ以上に大きくなり、
ドレスの胸元は大きな胸が盛り上がってしまっている。

「ふふ、でもこれでリーナよりきっと……」

着替えが終わり、鏡の前で微笑むミーナ。

朝食の時間、姉妹3人が並んで座って朝食をとっていると、
ミーナはリーナを見てふと思う。

(り、リーナのお尻……大きいわね……)

イスに座っているとよく分かるその大きくて形のよいお尻、
自分より大きくて綺麗なお尻を持っていることが
ミーナにとって驚き半分、憧れ半分でした。

「ミーナ……胸、大きいわね」
「リーナこそ、そんな大きいお尻……」

お互いの体をじっと見てしまう。

その日の午後、いつもどおり男達が寄ってきて、
品物を献上していくが、
男達の視線はミーナの胸とリーナのお尻に集中していった。

「…………」
『おや? どうしたんだい?』

その様子を影から見ていたシャルを
さらに影から見ていた『愚者』は尋ねる。

「いえ、うらやましいと思っているだけです」
『そうか……まあ、君の望みはかなえてるんだ
こっちは楽しく見ているよ』

『愚者』はそう言って姿を消した。

   ×   ×   ×

楽識さんの文章には独特の勢いがあって、
私なんかは否が応でもwktkをかきたてられちゃいます。
イラストはあくまで添え物ということでひとつ。
ドレスとかフリルとかコルセットとか、
何にも分からず描いているので
そのへんはなるべく薄目でご覧になってくださいw

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コメント

  1. 現在楽識 | URL | -

    Re: 『涙目お嬢様×3』

    イラストどもです。

    というか、俺のファンっていませんよ~~~

    独特の勢いですか~~……いや、勢いしかないんですよw

    即興即決即妄想によって展開される妄想劇場なので、自分の文章が妄想に追いついていない状況なのです。

    後半部分はかなりカオスを通り越している状況ですしし、
    greenbackさんがどんな絵を書いていただけるのか楽しみです。

  2. greenback | URL | xB9R6Xc2

    Re: 『涙目お嬢様×3』

    >現在楽識さん
    自分の文章が妄想に追いつかない、という現象は
    私もたまにありますね。
    後から加筆しても、それはそれでなんだかしっくりこなかったりして。

    あ、そういや絵チャのお誘いありがとうございます。
    ただ、まとまった時間が取れないのと
    後半のイラストを全部塗り終えてなかったりするのでw
    今回はちょっと難しそうですね。
    すみませんm(_ _)m

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